御嵩町に移住した村島さんファミリー
出身地 ご主人:岐阜県、奥様:愛知県
移住年 2013年
職場を変えることなく、憧れの里山暮らしを実現。
美しい自然と人の温かさを感じながら過ごす毎日です。
仕事とお金だけでは幸せになれなかった
移住のきっかけを教えてください
以前は、大手自動車メーカーと取引のある金型メーカーで、設計職に就いていました。仕事は充実していたし、給料も良かったのですが、日付が変わる前に帰宅するほうが稀という生活を続けていたら、ある時から夜眠れず、食べ物の味が分からなくなり、心身ともに大きく調子を崩してしまいました。そんな私を救ってくれたのが家庭菜園。たまたま近所の方から分けてもらったナスの苗が花壇で花を咲かせ、実を付けたんです。植物の生命力に感動し、農園を借りるほど野菜作りに夢中になりました。そして、自分の手で野菜を育て始めたら、食の安全に興味を抱くようになり、本当の豊かさ・幸せとは何かを考えるように。かつては、一生懸命働いてお金を稼ぐことが人生の目的だと思っていたけれど、結果として私は満たされなかった。不自由なく暮らしていけるだけの仕事と収入を得つつ、自然に寄り添いながら家族と過ごす時間を大切にして暮らしたい。その希望を実現するための手段のひとつが、都市部に通勤することもできる“ほどほどの田舎”に移住することだったのです(ご主人)。
美しい里山の景観にひと目惚れ
御嵩町を選んだ理由を教えてください
可児御嵩インターチェンジから車で約20分、山道を奥へ奥へと進んでいくと、豊かな緑をたたえた里山の景観が広がります。その一角に建つ一軒家にひと目惚れしました。無垢材がふんだんに使われた平屋造り、窓の外に広がる美しい田園風景はまさに思い描いていた理想通り。しかも、以前のオーナーが諸事情から築10年ほどで手放されたという物件だったため、家の状態がとても良かったんです。広い庭や倉庫も付いて、これ以上の物件にはなかなか出会えないだろうと思い、見学した日に移住を決めました。2013年春のことです。引っ越してすぐの頃はひとり暮らしということもあって、寂しさや心細さがありましたが、同じ年の秋に結婚と同時に妻が移住してきてからは、にぎやかな毎日に。翌年の夏には長男が誕生し、現在は3人暮らしを楽しんでいます(ご主人)。
みんなに見守られているような安心感
御嵩町のいいところ
私たちが住んでいる集落はたった14世帯の里山ですが、車を10分も走らせればスーパーや病院、図書館もあって、不便を感じません。美しい自然に囲まれた場所に住みながらも、山奥の生活スタイルを強いられるわけではない・・・そんな“ちょうどいい“感じがとても気に入っています。それから御嵩町の山は全体的に標高が低くて日当たりのいい場所が多いことや、広葉樹が多くて緑が淡いことも特徴。赤・黄・緑・茶に山を染める秋の紅葉も見事です。そんな明るい山の雰囲気も、私たちが御嵩町を選んだポイントでした。(ご主人)。
地域の方々が親切だということも大きな魅力。子どもとお散歩に出れば、近くのおじいちゃんやおばあちゃんをはじめ、ご近所さんが声をかけてくれます。子どももすっかりなついていて、面倒をみていただくこともしばしば。採れたての野菜を分けていただけるのもありがたいですね。世帯数は少ないけれど、みんなに見守られているような安心感があります。(奥様)。
この景観を守る一員でもありたい
これからの暮らし方について
季節の変化を体で受け止め、自然を慈しみ、土地でとれた食材をいただく。御嵩町に移住して、毎日の暮らしが以前より丁寧になった気がします。でも、やりたいこと、楽しみはまだまだこれから。いずれはお米、麦、大豆をはじめとする農作物を自給し、ニワトリの飼育やシイタケ栽培にもチャレンジしたいと考えています。
また、移住してから気づいたことがあります。それは、御嵩町のすばらしい里山の景観は、山林や田畑に寄り添って暮らす方々の弛みない営みによって維持されているということ。私たちは未熟者だけれど、地域の皆さんに教えていただきながら、この里山の景観を守る一助を担っていきたいと思います。ずっと、御嵩町の里山で自然に寄り添う暮らしを続けていくために。(ご主人)。
近隣とのお付き合いも田舎暮らしの楽しみ
移住を考えている人へのメッセージ
移住に際して心配ごとのひとつに「その土地になじめるかな」ということがあるかもしれません。確かに田舎は街なかと比べると、お付き合いが濃厚で、町内会に祭事、草刈りと共同イベントも目白多しです。でも、そうしたイベントこそ、地域に溶け込むチャンス。地域の方たちは、私たちが知らない生活の知恵や知識をたくさん持っていらっしゃいます。自ら心を開き、コミュニケーションに努めることで、そうした情報が手に入り、田舎暮らしはもっと楽しくなりますよ。
※情報は2016年3月公開時のものです。